2007.10.23 Tuesday
【感想】カブトボーグ第9話「輝け!ダイヤモンド・ダイヤモンド・ダイヤモンド」
あらすじ
クラスメートの石田が最近宿題をしてこなくなったことを、同じくクラスメートの相馬友子から相談された勝治。どうやら、石田が宿題をしてこなくなったのは、彼の母親が不良主婦おばさんボーガーとなり、ボーセン(ゲーセンのカブトボーグ版)にたむろし、家事一切を石田がやらざるを得ず、宿題をする時間が取れないからだそうです。相馬友子からお願いされ、勝治たちは石田母を家庭に返すべく立ち上がりました。

ボーセンへと駆けつけたリュウセイさんたち三人。しかし、入り口にたむろする不良おばさんボーガーに怯えて近付くことができません。
ケン「あんな濁った目で睨まれたの初めてだ」
勝治「ロイドさんが近寄るなっていうわけだよ」
それでもリュウセイさんは勇気を出して、おばさんたちとのコミュニケーションを図ります。
リュウセイ「つかぬことを伺いますが、どうして野菜や台所用品を持っているんですか?」
おばさんたち「これかい? 気に食わないボーガーを叩きのめすためさ」
勝治「気に食わないボーガーって……?」

おばさんたち「お前たちのことだヨォォ!!!!」
そこに登場し、おばさんたちを一喝したのが石田母。不良おばさんボーガーたちからは「石田の姐御」と呼ばれている、不良主婦おばさんボーガーのリーダー格です。

石田母ビフォー。

石田母アフター。
石田母に土下座して、「家庭に帰って下さい」と懇願する勝治。結局、二人はボーグバトルで決着をつけることになります。勝治が勝ったら石田母は家庭に帰り、石田母が勝ったら勝治、ケン、リュウセイさんの三人はボーグバトルを引退するという条件です。
そして、始った二人の戦い。石田母はおばさんの図々しさを遺憾なく発揮し、チャージ回数を1回おまけしてもらったり、割り込みの要領で攻撃を仕掛けたり、突然試合中に休憩して相手の気勢を削いだりと悪質な戦いを仕掛けます。勝治がそのことに対し不平を訴えても、審判のロイドさんは「それがおばさんデース!」と取り合いません。


さらに、おばさん戦術の粋ともいえるのが、彼女の必殺技ストリートバーゲンセールフラッシュ。勝治のエレクトリカルスピードワゴンの周囲にオーラで具現化させたバーゲンセール商品を配置することにより、取り巻きの不良主婦ボーガーを参戦させる(商品の取り合いに参加させる)という技です。これで勝治は、事実上5対1の戦いを強いられることになります。
勝負は圧倒的に勝治が不利。しかし、勝利を確信し、恥も外聞もなく高笑うおばさんたちを見て、リュウセイさんは突破口を見出します。彼女たちにも若く美しい時代があったに違いない、若い頃の写真を見せれば、今の自分を恥ずかしいと思うはずだ、と。リュウセイさんたちは石田の家へと走り、石田母の若い頃のアルバムをゲットするのでした。
リュウセイ「あの頃、君は若かったー!」
ケン「石田のかあちゃーん!」
リュウセイ「若い頃の写真を見て、清らかな乙女心を思い出せー!」
リュウセイさんが石田母へとアルバムを投げつけます。これで、石田母は昔の清らかな自分の姿を見て、今の蛮行を恥じ入るはず。ですが……

石田母「フッフッフ……。あたしの若い頃……、暴走族だったんだよ!」
リュウセイ・ケン「ギエエエエー!」
ロイド「今より最悪デース!」
勝治「余計なことしないでよー!」
若くバリバリな時代を思い出して、より気合の入ってしまった石田母。彼女はさらなる必殺技ローリングスピードハイテンションを繰り出します。石田母のマシン、ゴールデンオバサンファイアーは、勝治のエレクトリカルスピードワゴンを弾き飛ばし、勝負は決まったかに見えましたが……

なんと、まさかの勇み足! あの戦力差にも関わらず、幸運にも勝治が勝利したのです。
石田母「ボーグに勝って、勝負に負けた……」
勝治「ラッキーだったよ!」
石田母たち不良主婦ボーガーは家庭へ帰りました。ちなみに、相馬友子のお願いを叶えたことで彼女から好意を持たれることを期待していた勝治たち三人でしたが、実は相馬友子は既に石田と付き合っていて、「ありがとう! 石田君が私とデートする時間ができたわ!」とのオチがつきます。失恋した勝治はヤケ食いするのでした。
<解説>
・ボーセンと不良おばさんボーガー
街中に普通にフィールドが設置されているこの世界で、なぜボーグのゲーセン的なものが必要なのかという疑問はさて置き、ボーグのゲーセン的なところに不良がたまっているのではなく、「おばさんが不良になってたまっている」という訳の分からない二段構えにまずは注目したいです。「おばさんが不良になる」「おばさんがボーガーになる」という二つの異常要素を掛け合わせ、さらに「ゲーセンのボーグ版」という舞台も設置。これをいきなり冒頭に持ってくる辺りが凶悪です。
確かに、「不良がボーグをする」程度だと、この世界観的にたいしたことではないです。しかし、「おばさんが不良になる」というのは、さっぱり意味が分かりません。回想シーンの「ボーグを手にする→ボーグにハマる」の流れはともかく、どこに「不良になる」要素が入ってるのかと。舞台をボーセンに設定したからか、それとも彼女の過去が暴走族だったからか。どちらの設定を引っ張っているのかは分かりませんが、「おばさんがボーガーになった上、不良になる」というのはよく分からない着地点です。
・「おばさんの辞書に卑怯という文字はない!」
劇中、「おばさんだから」ということで、石田母のあらゆる卑怯行為を黙認したロイドさん。これって要するに、「おばさんには何を言っても無駄」「おばさんに理屈は通じない」「おばさんがルールなど守るはずがない」って話ですよね。ロイドさん……というか、脚本の浦沢先生は毒吐きすぎじゃないでしょうか……。しかし、一方で、それらの卑怯行為を「おばさんのテクニック」と言ってることから、おばさんの図々しさなども一つの技術、つまり社会的に受け止めるべき要素であると、浦沢先生は考えているのかもしれません。……んなこたーねーかな?
ところで、チャージの回数を増やすのとか、試合中のタイムとか、ストリートバーゲンセールフラッシュとかはともかく、割り込みヒップアタックは、あれは別に反則でもなんでもないよね?
・「ラッキーで勝った」
浦沢義雄脚本をまじまじと感じさせる、まさに浦沢義雄なラスト。「昔のアルバムを見せて、清らかな乙女心を思い出させて勝つ」だけでも、大抵の視聴者は「なんてイカれたアニメなんだ」と思うに十分な展開です。しかし、浦沢義雄はそのレベルに踏み止まりません。「若い頃は暴走族だったんだよ!」という、更なる展開を見せて話を収束させないのです。
このタイミングで話が収束しないんだから、当然最後まで収束しません。だから、結果的には「本当は負ける戦いだったけどラッキーで勝った」という、普通に考えたらもうどうしょうもない、下の下の下のような最悪のオチをつけてきます。しかし、こんな最悪のオチを甘んじて受け入れてまで、視聴者の裏をかこうとする展開は頭のネジが一本外れてなければできることではありません。これを見た視聴者は、「イカれてるなんてモンじゃねえ、このアニメはキチガイだ」と思うことでしょう。こんな展開を誉めていいのかどうか分かりませんが、とにかく浦沢義雄が正気ではないことは確実です。また、「ラッキーだから勝てた」のに、「執念の勝利だ」とか、「家庭を思う気持ちが〜」とか、そういう言い訳めいたことを一切言わないのが浦沢先生っぽい。本当に「ただただラッキーだから勝てた」だけなんです。男らしいのか、やる気がないのか、とにかく気が狂ってることは確かです。
浦沢先生は、良くも悪くもまとめる気がないんですよね。とにかく、その瞬間瞬間での最大風速のみを追い求めてる。何かを解決させようとか、お話にケリをつけようとか、そういう気がほとんど感じられません。だから、「勝てるはずないけど、ラッキーだから勝てた」とか平然と言うんです。清涼院流水が、「この密室殺人の謎は解けない。なぜならこれは奇跡だからだ!」とか言うのに近いです。アニメじゃ、こんな蛮行、カブトボーグしか許されないんじゃないかなあ。
しかし、それでも9話は、浦沢脚本の中ではまだまとめる気がある部類に入るのが恐ろしいところ。酷いのになるとバトルの途中で何一つ解決させずにプッツリ終わらせますからね。浦沢義雄は本当に恐ろしい。
【オススメ度:★★☆】
第9話 1/3
第9話 2/3
第9話 3/3
人造昆虫 カブトボーグ V×V Vol.1~3セット+おまけ付き
クラスメートの石田が最近宿題をしてこなくなったことを、同じくクラスメートの相馬友子から相談された勝治。どうやら、石田が宿題をしてこなくなったのは、彼の母親が不良主婦おばさんボーガーとなり、ボーセン(ゲーセンのカブトボーグ版)にたむろし、家事一切を石田がやらざるを得ず、宿題をする時間が取れないからだそうです。相馬友子からお願いされ、勝治たちは石田母を家庭に返すべく立ち上がりました。

ボーセンへと駆けつけたリュウセイさんたち三人。しかし、入り口にたむろする不良おばさんボーガーに怯えて近付くことができません。
ケン「あんな濁った目で睨まれたの初めてだ」
勝治「ロイドさんが近寄るなっていうわけだよ」
それでもリュウセイさんは勇気を出して、おばさんたちとのコミュニケーションを図ります。
リュウセイ「つかぬことを伺いますが、どうして野菜や台所用品を持っているんですか?」
おばさんたち「これかい? 気に食わないボーガーを叩きのめすためさ」
勝治「気に食わないボーガーって……?」

おばさんたち「お前たちのことだヨォォ!!!!」
そこに登場し、おばさんたちを一喝したのが石田母。不良おばさんボーガーたちからは「石田の姐御」と呼ばれている、不良主婦おばさんボーガーのリーダー格です。

石田母ビフォー。

石田母アフター。
石田母に土下座して、「家庭に帰って下さい」と懇願する勝治。結局、二人はボーグバトルで決着をつけることになります。勝治が勝ったら石田母は家庭に帰り、石田母が勝ったら勝治、ケン、リュウセイさんの三人はボーグバトルを引退するという条件です。
そして、始った二人の戦い。石田母はおばさんの図々しさを遺憾なく発揮し、チャージ回数を1回おまけしてもらったり、割り込みの要領で攻撃を仕掛けたり、突然試合中に休憩して相手の気勢を削いだりと悪質な戦いを仕掛けます。勝治がそのことに対し不平を訴えても、審判のロイドさんは「それがおばさんデース!」と取り合いません。


さらに、おばさん戦術の粋ともいえるのが、彼女の必殺技ストリートバーゲンセールフラッシュ。勝治のエレクトリカルスピードワゴンの周囲にオーラで具現化させたバーゲンセール商品を配置することにより、取り巻きの不良主婦ボーガーを参戦させる(商品の取り合いに参加させる)という技です。これで勝治は、事実上5対1の戦いを強いられることになります。
勝負は圧倒的に勝治が不利。しかし、勝利を確信し、恥も外聞もなく高笑うおばさんたちを見て、リュウセイさんは突破口を見出します。彼女たちにも若く美しい時代があったに違いない、若い頃の写真を見せれば、今の自分を恥ずかしいと思うはずだ、と。リュウセイさんたちは石田の家へと走り、石田母の若い頃のアルバムをゲットするのでした。
リュウセイ「あの頃、君は若かったー!」
ケン「石田のかあちゃーん!」
リュウセイ「若い頃の写真を見て、清らかな乙女心を思い出せー!」
リュウセイさんが石田母へとアルバムを投げつけます。これで、石田母は昔の清らかな自分の姿を見て、今の蛮行を恥じ入るはず。ですが……

石田母「フッフッフ……。あたしの若い頃……、暴走族だったんだよ!」
リュウセイ・ケン「ギエエエエー!」
ロイド「今より最悪デース!」
勝治「余計なことしないでよー!」
若くバリバリな時代を思い出して、より気合の入ってしまった石田母。彼女はさらなる必殺技ローリングスピードハイテンションを繰り出します。石田母のマシン、ゴールデンオバサンファイアーは、勝治のエレクトリカルスピードワゴンを弾き飛ばし、勝負は決まったかに見えましたが……

なんと、まさかの勇み足! あの戦力差にも関わらず、幸運にも勝治が勝利したのです。
石田母「ボーグに勝って、勝負に負けた……」
勝治「ラッキーだったよ!」
石田母たち不良主婦ボーガーは家庭へ帰りました。ちなみに、相馬友子のお願いを叶えたことで彼女から好意を持たれることを期待していた勝治たち三人でしたが、実は相馬友子は既に石田と付き合っていて、「ありがとう! 石田君が私とデートする時間ができたわ!」とのオチがつきます。失恋した勝治はヤケ食いするのでした。
<解説>
・ボーセンと不良おばさんボーガー
街中に普通にフィールドが設置されているこの世界で、なぜボーグのゲーセン的なものが必要なのかという疑問はさて置き、ボーグのゲーセン的なところに不良がたまっているのではなく、「おばさんが不良になってたまっている」という訳の分からない二段構えにまずは注目したいです。「おばさんが不良になる」「おばさんがボーガーになる」という二つの異常要素を掛け合わせ、さらに「ゲーセンのボーグ版」という舞台も設置。これをいきなり冒頭に持ってくる辺りが凶悪です。
確かに、「不良がボーグをする」程度だと、この世界観的にたいしたことではないです。しかし、「おばさんが不良になる」というのは、さっぱり意味が分かりません。回想シーンの「ボーグを手にする→ボーグにハマる」の流れはともかく、どこに「不良になる」要素が入ってるのかと。舞台をボーセンに設定したからか、それとも彼女の過去が暴走族だったからか。どちらの設定を引っ張っているのかは分かりませんが、「おばさんがボーガーになった上、不良になる」というのはよく分からない着地点です。
・「おばさんの辞書に卑怯という文字はない!」
劇中、「おばさんだから」ということで、石田母のあらゆる卑怯行為を黙認したロイドさん。これって要するに、「おばさんには何を言っても無駄」「おばさんに理屈は通じない」「おばさんがルールなど守るはずがない」って話ですよね。ロイドさん……というか、脚本の浦沢先生は毒吐きすぎじゃないでしょうか……。しかし、一方で、それらの卑怯行為を「おばさんのテクニック」と言ってることから、おばさんの図々しさなども一つの技術、つまり社会的に受け止めるべき要素であると、浦沢先生は考えているのかもしれません。……んなこたーねーかな?
ところで、チャージの回数を増やすのとか、試合中のタイムとか、ストリートバーゲンセールフラッシュとかはともかく、割り込みヒップアタックは、あれは別に反則でもなんでもないよね?
・「ラッキーで勝った」
浦沢義雄脚本をまじまじと感じさせる、まさに浦沢義雄なラスト。「昔のアルバムを見せて、清らかな乙女心を思い出させて勝つ」だけでも、大抵の視聴者は「なんてイカれたアニメなんだ」と思うに十分な展開です。しかし、浦沢義雄はそのレベルに踏み止まりません。「若い頃は暴走族だったんだよ!」という、更なる展開を見せて話を収束させないのです。
このタイミングで話が収束しないんだから、当然最後まで収束しません。だから、結果的には「本当は負ける戦いだったけどラッキーで勝った」という、普通に考えたらもうどうしょうもない、下の下の下のような最悪のオチをつけてきます。しかし、こんな最悪のオチを甘んじて受け入れてまで、視聴者の裏をかこうとする展開は頭のネジが一本外れてなければできることではありません。これを見た視聴者は、「イカれてるなんてモンじゃねえ、このアニメはキチガイだ」と思うことでしょう。こんな展開を誉めていいのかどうか分かりませんが、とにかく浦沢義雄が正気ではないことは確実です。また、「ラッキーだから勝てた」のに、「執念の勝利だ」とか、「家庭を思う気持ちが〜」とか、そういう言い訳めいたことを一切言わないのが浦沢先生っぽい。本当に「ただただラッキーだから勝てた」だけなんです。男らしいのか、やる気がないのか、とにかく気が狂ってることは確かです。
浦沢先生は、良くも悪くもまとめる気がないんですよね。とにかく、その瞬間瞬間での最大風速のみを追い求めてる。何かを解決させようとか、お話にケリをつけようとか、そういう気がほとんど感じられません。だから、「勝てるはずないけど、ラッキーだから勝てた」とか平然と言うんです。清涼院流水が、「この密室殺人の謎は解けない。なぜならこれは奇跡だからだ!」とか言うのに近いです。アニメじゃ、こんな蛮行、カブトボーグしか許されないんじゃないかなあ。
しかし、それでも9話は、浦沢脚本の中ではまだまとめる気がある部類に入るのが恐ろしいところ。酷いのになるとバトルの途中で何一つ解決させずにプッツリ終わらせますからね。浦沢義雄は本当に恐ろしい。
【オススメ度:★★☆】
第9話 1/3
第9話 2/3
第9話 3/3
人造昆虫 カブトボーグ V×V Vol.1~3セット+おまけ付き


















